Snipping ToolのOCR(テキストアクション)が使えない原因にはいくつかの理由があります。
その多くは、バージョン違いによってOCRによる文字認識機能が表示されない場合です。
そこで本記事では、以下のような内容をお伝えします
- テキストアクションが表示されない原因は?
- 対応しているSnipping Toolのバージョンは?
- OCR機能を有効にする方法とは?
私も以前、会議メモをSnipping Toolで撮影したスクリーンショットからOCRで文字起こししようとしたときに、「あれ?テキストアクションが出てこない…」と悩んだ経験があります。
この記事を読めば原因と対処法がわかるので、スムーズに機能を活用できるようになりますよ。
👉 この記事では、公式ヘルプには載っていない“OCRの便利さと表示不具合の解決”を解説します。

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Snipping ToolのOCR(テキストアクション)で文字認識

Snipping Toolは画面のスクリーンショットを簡単に撮れる便利なツールですが、たとえば、エラーメッセージやウェブページの文章、PDF内のテキストなど、目で見えているのに「コピペできない!」という場面はよくありますよね。
このように、画像に含まれる文字をそのまま読み取れないのが弱点です。
そこで役立つのがOCR(光学文字認識)です。Snipping Toolでは「テキストアクション」という機能名で呼ばれています。
このOCRを使えば、画像として保存された文字をテキストデータに変換して再利用できるため、わざわざ手で打ち直す必要がなくなります。しかもかなり精度が高いんです。
つまり、コンピューターのAI(人工知能)が画像を分析して「これは『あ』という文字」「これは『A』という文字」のように判断し、デジタルテキストに変換しています。身近なもので言うと、漫画のセリフ等でも処理できるんです。
まるで人間が文字を読むのと同じようなことを、コンピューターがやってくれるわけです。
この機能があることで、手作業でタイピングする時間を大幅に短縮でき、勉強や作業の効率がぐんと上がります!
具体的には次のような場面で利用されています。
- ・エラーメッセージをコピーして検索したいとき
-
→ 画面に出た長いエラーテキストを一瞬でコピーできる。
- ・印刷物やPDFからテキストを抽出したいとき
-
→ OCRを使えば「画像化された文章」も再編集できるようになる。
- ・資料作成やブログ執筆で引用をしたいとき
-
→ スクショを撮ってOCRすれば、文字を正確に取り込んで加工できる。
- ・英語や外国語の文章を翻訳したいとき
-
→ OCRでテキスト化して翻訳アプリにかければ、入力の手間を省ける。
Snipping Toolのテキストアクション機能(OCR)の利用条件
Snipping ToolのOCR(=テキストアクション)を利用するには、バージョンが11.2308.33.0以降の必要があります。
この点について、本機能は Insiderビルド(特に Canary/Dev チャネル)に限定して提供され、一般向けに展開されました。
そして、一般向け Windows 11(Stable チャネル)でも、Snipping Toolバージョン 11.2308.33.0 以上がインストールされていれば、テキストアクションが利用可能となりました。
まとめると、表示されない原因は主に以下のとおりです。
- OSがWindows 11 かどうか(Windows 10 での利用不可)
- Snipping Tool のバージョンが 11.2308.33.0以上か(Snipping Toolの最新版へのアップデート方法はこちら)
- Microsoft Store の更新状態
Snipping ToolでOCRが表示されない時の原因と対処法

テキストアクションが表示されない時の原因と対処法には主に以下の点が考えられます。
- アプリの更新
- アプリの修復、再インストール
Microsoft StoreでのSnipping Toolアプリ更新確認
Microsoft StoreからSnipping Toolを更新する必要があります。
更新が必要なバージョン場合は下図の画面に更新ボタンが表示されます。

更新後は PC を再起動することで、機能が表示される場合があります。
なお、現在使用しているSnipping Toolのバージョンを確認する方法は以下の記事を参考にしてください。

アプリの修復・リセット・再インストールによる解決策
Snipping Toolのバージョンに問題がなかったり、ストアからダウンロードしたSnipping Toolを使用してもテキストアクションができない場合、アプリの不具合が疑われます。
その場合は、以下の手順で修復やリセットを行ってください。
タスクバーのWindowsキーをクリックします。

設定
を選択してください。

左サイドメニューのアプリ>Snipping Toolの…
をクリック

詳細オプション
をクリック

修復
またはリセット
を選択してください。

上記の手順でもテキストアクションが表示されない場合は、一度アンインストールしてから再インストールしましょう。
そして以下の項目を順にチェックすることでも、解決可能なことが多いようです。
- Windows 10 や Windows 11 23H1 以前では非対応
- Snipping Tool バージョンが古い(11.2308未満、最新版へのアップデート方法はこちら)
- Store 更新がされていない、あるいは再起動していない
Snipping Toolのテキストアクションでの私の失敗談
Snipping Toolで会議メモを画像化し、文字をコピーしようとしたとき、テキストアクションが表示ないので焦ったことがあります。
うっかりですが、OCR機能は標準搭載だと思い込んでいたんですよね。
実際には、Snipping Toolのバージョンが古かったのが原因。Windows Updateで最新版にしたところ、無事に「テキストアクション」が使えるようになりました。
今では、手書きメモをキャプチャしてすぐにテキスト化できるのが意外と便利で、作業がぐっと楽になりました。
Snipping ToolのOCR(文字認識、通称:テキストアクション)の使用方法
ここまではSnipping ToolのOCRが使えない場合の原因と対処方法についてお伝えしました。
以下では、実際のテキストアクション機能の操作方法についても解説します。
OCRで文字情報を抽出する基本ステップ
今回は下図のようなメモ帳の内容をSnipping ToolのOCRで文字抽出してみます。

上記のメモ帳をSnipping Toolでスクリーンショットを撮影すると、↓のようにSnipping Toolの編集画面が立ち上がります。

そして、Snipping Toolの編集画面上部にあるテキストアクションボタンを押してください。

すると、下図のように文字情報が白抜きで抽出されます。すごいですよね…。

OCRによって抽出された文字情報はクリップボードに自動的に保存されます。
実際にどれくらいの精度で抽出されているかを確かめるために、テキストエディタに貼り付けてみました。

前後に余分な情報も混ざっているようですが、かなり高い精度で文字を抽出できています。
実際に文字を抽出する様子を動画にしてみました。
テキストアクション機能はこれで正常に動いていることが確認できます。
クイック秘匿(電話番号/メールアドレスなどの自動マスク)
テキストアクション機能にはクイック秘匿機能があります。
クイック編集ボタンの横にある
ボタンを押して、メールアドレスと電話番号にチェックが入っていることを確認してください。つまり、Snipping Toolで個人情報を保護できるのは、メールアドレスと電話番号の2種類です。住所は含まれません。

確認出来たら、クイック編集
ボタンを押しましょう。

そうすると下図のように、住所の記載を認識して該当箇所に黒でマスキングしてくれました。

上記の操作の様子を動画にしてみました。
なぜか電話番号はマスキングされませんでしたが、メールアドレスはしっかり認識してくれたようです。
おそらく、住所の記載の仕方に問題があるのかもしれません。
検知精度に若干の不安はあるものの、これほどの機能がWindowsの標準機能で付いているとは驚きです。
ぜひ一度お試しください!
実際に使って気づいたこと

Snipping ToolにOCRがあると知ったとき、正直あまり期待していなかったんですが…これ、使ってみると想像以上に便利でした。
たとえば、PDF資料をSnipping Toolでスクリーンショットを作成すれば、画像の文字が自動で認識されてコピーできるんです。
この「テキストアクション」のおかげでテキストデータとしてコピペできるので、これが標準機能として提供されているのには驚きです。
ただし、使ってみて気づいたのは、すべての文字が正確に読み取れるわけではないという点です。
特に、背景がグレーっぽい画像や、フォントが細すぎるものは誤認識が起きやすく、読み取った文字列がぐちゃぐちゃになることもありました。
それでも、「WebページやPDFの一部だけ抜き出して引用したい」ときには、わざわざOCRソフトを使わずに済むので作業がかなりラクになりました。
この記事の関連リンク

この記事で解説した機能をより深く理解し、実際の作業で効率的に活用するため、基本~応用ワザをまとめてカタログ形式にした記事を用意しました。
Windows標準機能を使った作業効率化のノウハウが身に付きます。
そして、上記で紹介した関連記事はこちらです。
今日の理解度チェック【Snipping ToolのOCR(文字認識)編】

ここまで読んであなたはどこまで理解できましたか?
このセクションでは、本記事の内容を実際に自分のPCで試してみる「実践課題」を用意しました。
また、記事内の解説セクションへのジャンプリンクも設けていますのでご活用ください。
理解度チェック1:Snipping Toolのバージョンを確認してみよう
Snipping Toolを起動して画面右上の「…(三点メニュー)」をクリック → 「設定」を選択
表示される「バージョン番号」が「11.2308.33.0」以上かチェックして、 該当していなければ、Microsoft Storeでアップデート!
→ Microsoft StoreでのSnipping Toolアプリ更新確認 ≫
理解度チェック2:スクリーンショットから文字を抽出してみよう
Snipping Toolで画面をキャプチャする。
自動で開くSnipping Tool編集画面で「テキストアクション」アイコンをクリック
認識されたテキストがハイライトされるので、その内容がクリップボードにコピーされるので、テキストエディタに貼り付けて確認!
理解度チェック3:クイック秘匿機能を試してみよう
クイック編集ボタンの横にある
ボタンを押して、メールアドレスと電話番号にチェックが入っていることを確認してください。つまり、Snipping Toolで個人情報を保護できるのは、メールアドレスと電話番号の2種類です。住所は含まれません。
→ クイック秘匿(電話番号/メールアドレスなどの自動マスク) ≫
FAQ:「Snipping ToolのOCR」に関するよくある質問

ここまでは具体的な方法を一通りお伝えしてきましたが、その他にも細かい疑問や迷いやすいポイントがいくつかあります。
そこで以下では、よくある質問をFAQ形式でまとめました。
- Snipping Tool の「テキストアクション」って何ですか?
-
「テキストアクション」は、Snipping Tool に搭載されたOCR機能です。スクリーンショットから文字を認識してコピーしたり、個人情報を自動で秘匿(Quick Redact)したりできる便利な機能です。
- 「テキストアクション」が表示されないのですが?
-
以下の原因が考えられます:
- Snipping Tool のバージョンが 11.2308.33.0 未満
- Windows 11 のバージョンが古い(23H2未満)
- Microsoft Store からの更新が反映されていない
まずは Microsoft Store で Snipping Tool を最新版に更新し、PCを再起動してください。
- 自分のSnipping Toolのバージョンを確認するには?
-
Snipping Tool を起動 → 右上の「…(三点メニュー)」→「設定」→「バージョン情報」で確認できます。バージョンが「11.2308.33.0」以上であればText Actionsが利用可能です。
- テキストアクションは日本語も認識できますか?
-
はい、日本語にも対応しています。精度には画像の解像度やフォント、背景の影響がありますが、一般的な印刷文字や画面上の日本語は高精度で認識されます。
- テキストアクションのクイック秘匿とは何ですか?
-
は、Text Actions の機能の1つで、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を自動で検出して黒塗り(マスク)してくれる機能です。プライバシー保護や情報共有の際に非常に便利です。
- Snipping Tool の更新ができないのですが?
-
Microsoft Store を開いて、「ライブラリ」→「更新プログラムの取得」を選択してください。それでも更新できない場合は、「設定」→「アプリ」からSnipping Toolを一度「修復」または「リセット」してみてください。
まとめ:Snipping ToolのOCR(文字認識)とそのボタンが表示されないとき

Snipping Tool のOCR(通称:テキストアクション)機能は、画像から文字を直接抽出・コピーできる非常に便利な文字認識機能です。
しかし、「表示されない」「使えない」と悩むユーザーも多く、その原因は主に以下のような要因に集約されます。
- 利用には Windows 11 が必要(Windows 10は非対応)
- Snipping Tool のバージョンが 11.2308.33.0 以上であることが条件
- 機能が段階的に提供されており、Insider チャネル(Canary/Dev)に限定されているケースも
- Microsoft Store でのアプリ更新やPCの再起動が未実施の場合も多い
これらの点を一つひとつ確認し、適切に対処することで、Snipping Tool のテキストアクション機能は問題なく使えるようになります。
また、OCRとしての認識精度やテキストアクション機能の活用法など、使い方を理解しておけば日常業務や学習にも役立つこと間違いなしです。
最後にもう一度強調しますが、使えない原因の多くはバージョン・設定・アップデートの見落としです。
ぜひこの記事の手順を確認しながら、一度ご自身の環境でテキストアクションを試してみてください!
Snipping Toolをもっと便利に使いこなしたい方に向けて、使い方完全ガイドをご用意しました。
スクリーンショットの基本から文字抽出(OCR)などの応用まで、この記事一つで使い方がよくわかります。


ぜひ一度、Windowsの標準機能を使ってみま専科?