ペイントで塗りつぶしを使えば、画像の背景や一部の領域をワンクリックで簡単に変更できます。
しかし、操作はシンプルなはずなのに、「なぜか塗りつぶしできない」「思ったところと違う場所が変わってしまう」といった悩みに直面する人も少なくありません。
これは、画像の境界が閉じていない/色が微妙に異なる/ファイル形式の違いなど、いくつかの要因が関係している場合がほとんどです。
そこで本記事では、ペイントでの塗りつぶし方法を図形や囲い範囲ごとに丁寧に解説します。
- ペイントで塗りつぶしを使う基本手順とポイント
- よくある「塗りつぶしできない」原因とその解決策
- 画像を塗りつぶすときに注意すべき設定とコツ
実は私も当初は「塗りつぶしツールでうまく範囲が塗りつぶせないのは不具合?」と勘違いしていました。
でも、原因を知れば、意図したとおりにちゃんと色を変えられます。
この記事を読めば、ペイントの塗りつぶし機能をストレスなく使いこなせるようになりますよ。
- 塗りつぶしツールをクリック
- 「色1」と「色2」の色をセット
- 塗りつぶしの実行(左クリックで「色1」、右クリックで「色2」)
なお、Microsoft ペイントの基本・便利ワザは、Windows標準「ペイント」の使い方ガイドもご覧ください。


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ペイントにおける塗りつぶしツールの基本
Windows標準の「ペイント」では、指定した領域をワンクリックで塗りつぶすことができます。以下の手順で操作を行いましょう。
それではさっそく、塗り残しや意図しない塗りつぶしを回避するための操作手順をお伝えします。
ペイントで図形や領域を塗りつぶすには、ツール
グループ内の塗りつぶしツール(バケツアイコン)を使います。

その際、あらかじめ知っておいてほしいことがあります。それは、色1
と色2
の使い方です。

上の例では、色1には赤色、色2には白色がセットされています。お好きな色があれば、その色でもOKです。
そして、バケツアイコンをクリックしからマウスを左クリックすると色1
の色で塗りつぶされ、右クリックすると色2
の色で塗りつぶされます。

それでは実際にペイントでの塗りつぶしをやってみましょう!
ご覧のとおり、色1には赤色、色2には黄色がセットされている状態です。
バケツアイコンを押して、塗りつぶしたいイラストの内部で左クリックすると赤色(=色1)で塗りつぶされます。
同様に、左クリックすると黄色(=色2)で塗りつぶされます。

再度、重要ポイントをお伝えすると、マウスを左クリックすると色1
の色で塗りつぶされ、右クリックすると色2
の色で塗りつぶされます。
この方法を使うと、鉛筆ツールによりフリーハンドで書いた図形も塗りつぶせます。

単色で塗るだけでなく、色の置き換え機能を使えば、あとから自由に色を変更できます。背景を活かしたい場合は、透過処理との併用もおすすめです。
ペイントでの塗りつぶしの失敗と原因
ペイントの塗りつぶしツールは操作こそ簡単ですが、いざ使ってみると「全然塗れない」「逆に全部塗られてしまった」などのトラブルに出会うことがよくあります。
以下は、実際によくある失敗パターンとその原因です。
1. 線が完全に閉じていない
失敗例:
「円の中だけを塗るつもりだったのに、クリックした瞬間、画像全体が同じ色に塗りつぶされてしまった!」
これは、図形の線がつながっていない(=境界線にすき間がある)のが原因です。
塗りつぶしツールは「囲まれた範囲の中」を判断して色を流し込むため、1ピクセルでも開いていると、そこから塗りつぶしが“漏れて”しまうのです。
チェック方法:
- 表示を拡大して、線が完全につながっているか確認
- 鉛筆ツールや直線ツールで線の隙間を埋めるのが有効です
2. 塗りたい範囲の色が微妙にバラついている
失敗例:
「背景を全部塗りつぶすつもりなのに、なぜか一部だけ色が変わらない…」
これは、人の目には同じ色に見えても、実際には“微妙に異なる色(RGB値)”が混在しているためです。特に次のようなケースで発生します:
- 画像がグラデーションや影を含んでいる
- 写真やスキャン画像など、単一色で構成されていない素材を使っている
対策:
ペイントの塗りつぶしは、1ピクセル単位で色を識別するため、完全に同じ色でなければ塗り対象と認識されません。
- 「スポイトツール」で正確な色を拾って指定する
- または、「その他の編集ツール(Pixlrなど)」を併用し、色域選択などで範囲を調整するのもアリです。
3. アンチエイリアス処理により境界が曖昧になっている
失敗例:
「文字のまわりだけを塗りつぶしたいのに、ギザギザの周辺が塗れない or 残ってしまう…」
アンチエイリアスとは、図形や文字の輪郭を滑らかに見せるために周囲のピクセルをぼかす技術です。
これは一見キレイに見えるのですが、実は色が少しずつ変化しており、ペイントでは“はっきりとした塗りつぶし対象”として認識されない場合があります。
解決策:
- 完全に塗りつぶしたい場合は、アンチエイリアスが使われていない図形(手描きや線ツール)を使う
- もしくは、他のツールでマスクや範囲選択による塗りつぶし処理を行うことで解決可能です
間違って塗りつぶしたときの元に戻す方法
間違って塗りつぶしたときは、Ctrl + Z
で操作をやり直してください。
このCtrl + Z
はアンドゥー(undo)といって、直前の操作を取り消して元の状態に戻す操作です。
ペイントだけでなく、WordやExcelやその他のソフトでも利用できるショートカットキーです。
ペイントでの塗りつぶし範囲
ここまでは、ペイントで塗りつぶし操作を行うためのマウス操作を説明しました。
さらに理解を深めるために今度は、塗りつぶし範囲について説明します。
今までは黒い輪郭のあるイラストで塗りつぶしをしてきましたが、下図のように境界線のない図形を塗りつぶしはできるのでしょうか?

結論から言うと、できます!
この理由は、塗りつぶし効果は、クリックした場所と同じ色の範囲に適用されるからです。
たとえば上の図でいうと、黄色四角形の上でクリックすると、黄色の領域が塗りつぶされます。
そのため、黄色四角形の一部に食い込んでいる青色四角形の領域には塗りつぶしは適用されません。
ためしに黄色四角形を黒で塗りつぶすとこんな感じになります。

バケツアイコンを使わない塗りつぶし
実は、ペイントでの塗りつぶしにはバケツアイコンを使わない方法もあります。
ただし塗りつぶせる図形は、ペイントで用意された比較的単純な図形に限られ、色2の色で塗りつぶされます。
それでは具体的な方法を見ていきましょう。
まず、色2の色を指定した後、メニューバーの図形
を選んでください。

そして、下図のボタンをクリック。

塗りつぶし効果を選んでください。クレヨン調や蛍光マーカー、水彩ブラシっぽい感じで塗りつぶすことも可能です。

あとは、図形を選んでマウスドラックすると塗りつぶされた図形を描画できます。

ペイント以外での画像の塗りつぶし | 初心者向け代替ツール
ペイントはシンプルで手軽な反面、「塗りつぶしできない」「透明背景に対応していない」といった制限もあります。
そんなときは、無料かつインストール不要で使える画像編集ツールを使えば、より自由度の高い塗りつぶしが可能になります。
ここでは、特に初心者でも扱いやすい3つのツールをご紹介します。
以下の3ツールは、どれも無料で使えて、塗りつぶしや色の置き換えにも対応しています。
使いやすさ・機能の幅・透過対応などの観点からまとめました。
無料で使える画像塗りつぶしツール3選
ツール名 | 特徴 | 難易度 | 塗りつぶし機能の精度 | 透過PNG対応 | URL |
---|---|---|---|---|---|
Canva | デザインテンプレート豊富、操作が直感的 | ★☆☆ | △(レイヤーで代用) | ◯ | https://www.canva.com |
Photopea | Photoshopに近いUIと機能、色選択が精密 | ★★★ | ◎(領域選択+塗りつぶし) | ◎ | https://www.photopea.com |
Pixlr(E) | 軽量で初心者向け。自動選択や描画ツールも搭載 | ★★☆ | ○(ブラシ・塗りつぶし両対応) | ◎ | https://pixlr.com/jp/ |
Canva:デザイン初心者でも使える万能型
Canvaは、塗りつぶし機能そのものはシンプルですが、「図形や背景を重ねる=実質的な塗りつぶし」という形で対応可能です。
SNS用アイコンやポスター、サムネイルなどをデザイン込みで整えたい方に最適です。
Photopea:本格派の無料画像編集ツール
Photopeaはブラウザ上で動く無料のPhotoshop風ツール。
「選択範囲を指定 → 塗りつぶし」や「レイヤーマスク」「透明背景」など、細かな編集が可能で、ペイントでは不可能な領域を正確に塗ることができます。
Pixlr:中間的な使いやすさでバランス重視
Pixlrには「Pixlr X(簡易版)」と「Pixlr E(高機能版)」がありますが、塗りつぶしにはPixlr Eの方が向いています。
「マジック選択」や「ペイントバケツ」ツールで、特定色だけを置き換える操作も可能なので、ペイントからのステップアップにちょうどいい選択肢です。
用途別のおすすめ選び方
どのツールを使えばいいか迷ったら、目的から逆算するのがコツです。以下にシーン別のおすすめを紹介します。
目的・用途 | おすすめツール | 理由・特徴 |
---|---|---|
サムネイルやSNSデザイン | Canva | テンプレが豊富、塗りつぶしもレイヤーで代用可能 |
写真の背景を色で塗り替えたい | Photopea | 選択範囲+塗りつぶしの操作が自由自在 |
パソコンで簡単に操作したい | Pixlr | インストール不要で直感的に使える |
どのツールも無料で使えますが、保存時に「透過PNG対応」かどうかを確認しておきましょう。
特に背景のある画像に塗りつぶしをしたいときは、PNG形式の活用がポイントです!
実践チャレンジ:ペイントによる画像やイラストの塗りつぶし

読んだだけで終わらせない!
ここからは、この記事の内容を実際に自分のパソコンで試してみる小さな実践課題1~3を用意しました。
各チャレンジには、詳しい解説セクションへのジャンプリンクも設けています。
わからない場合はクリックで該当箇所の説明部分にすぐ戻って確認できます。
チャレンジ1:単色領域を一発で塗りつぶしてみよう(難易度★☆☆)
課題:
白地の円の中を、ペイントで好きな色に塗りつぶしてみましょう。
手順ヒント:
- 「塗りつぶしツール(バケツ)」を選択
- 「色1」で塗る色を選ぶ
- 円の内側をクリック
(該当箇所にジャンプ→)ペイントにおける塗りつぶしツールの基本 ≫
チャレンジ2:線のすき間を見つけて修正してみよう(難易度★★☆)
課題:
下の画像の三角形の中を任意の色で塗りつぶそうとしてみてください。
そして、塗りつぶせない原因を発見→修正→再塗りつぶしまで行ってください。

ヒント:
- 拡大ツールで線の端をチェック
- 鉛筆ツールで隙間を補完
- 塗り直してみる
(該当箇所にジャンプ→)ペイントでの塗りつぶしの失敗と原因 ≫
チャレンジ3:写真画像の一部を塗りつぶすには?(難易度★★★)
課題:
風景写真やイラスト画像を開いて、空や地面などの似た色が広がる部分を塗りつぶしてみましょう。
ヒント:
- スポイトツールで元の色を拾う
- 似た色が多く混在しているため、思ったより塗りムラが出る可能性あり
- 一度に塗れない場合は、範囲を囲んでから塗る or 他のツールも検討
よくある質問(FAQ):ペイントの塗りつぶしで悩んだら・・・

- ペイントで塗りつぶしが反応しないのはなぜですか?
-
一番の原因は線が完全に閉じていないことです。囲まれていない部分では、ペイントは塗りつぶし領域を正しく認識できません。まずは画像を拡大して線の隙間を確認し、鉛筆ツールなどで補完しましょう。
- 塗りつぶし時にムラができるのはなぜ?
-
線の太さや滑らかさが不均一な場合、ムラが生じることがあります。線を均一に描くことで改善されます。
- 複数の図形を一度に塗りつぶすには?
-
Ctrl
キーを押しながら複数の図形を選択し、塗りつぶしツールでクリックすることで、一度に塗りつぶすことができます。 - 塗りつぶしの色が変えられません。どこを操作すればいい?
-
画面上部にある「色1(前景色)」が塗りつぶしに使われます。変更したい場合は「色1」をクリックし、カラーパレットから好きな色を選択してください。「色2」は背景色(消しゴムなどに影響)ですので注意しましょう。
- 塗りつぶしツールが動かない・見つからないときは?
-
ペイントの再インストールを検討してください。
Microsoft Storeで検索窓に
Paint
を入力してインストールしましょう。なお、インストールの際は、PaintとPaint 3Dと間違わないようにしてください。
そして、Windows Updateも必ず行っておきましょう。
まとめ:ペイントによる塗りつぶし方法
Windowsのペイントによる塗りつぶしは、正しく使えばとても便利なツールです。
基本操作を押さえるだけでなく、塗りつぶしがうまくいかない原因などを理解することで、思い通りの編集が可能になります。
基本的な使い方をマスターすれば、冒頭でお話しした歓送迎会のくじ作りのように、短時間で効率的に作業を進めることができます。
特に「図形の閉じ忘れ」や「塗りつぶしツールの位置がわからない」といった初歩的なミスを防ぐだけでも、作業のスムーズさは大きく変わります。
これらを理解していれば、資料作成や趣味の画像編集で「あ、ここは塗りつぶしツールが便利だな」と気づく場面が増えるはずです。
手作業で塗るよりも圧倒的に早くて正確な塗りつぶし機能。使いこなせば、きっと周りの人から「どうやって作ったの?」と聞かれるような、見栄えの良い出来になります!
一度慣れてしまえば、ペイントでの作業効率が格段にアップするので、ぜひいろいろな場面で活用してみてください。

ぜひ一度、Windowsの標準機能を使ってみま専科?